エクシブ鳥羽別邸 - 岐阜造園 | 人生を、美しい景色に。

XIV TOBA BETTEI | Toba-shi, Mie

エクシブ鳥羽別邸

三重県鳥羽市

三重県鳥羽市の「エクシブ鳥羽別邸」。
リゾートトラスト株式会社が初めて打ち立てた、本格的な「和」のテイストをとり入れた会員制リゾート。
低層階の建物と日本庭園が一体となった「庭屋一如」の佇まいをテーマにしている。
暮らしの中に光や風、四季折々の植物、置石などを取り込むことで、
癒しとともに凛とした日本の伝統美を追求。複雑に描かれた大池のラインが鳥羽湾の海岸線へと連続し、景色に溶け込んでいる。
日本料理「鳥羽別邸 華暦」からの眺望。大池越しに鳥羽湾が見える、庭園と海とが融合した景色。
工事前に周辺環境の調査を念入りに実施。海が近いため、植栽は塩害や強風に耐性のある樹種を選定している。
池の中央付近には断層があり、異なる地層で構成されているため、置石も地層に合わせて海側は緑色片岩、建築側はチャートの岩盤と分けて配置。写真は、断層の境を象徴するチャートの大岩。
借景で、背景の山を風景に取り込んだ玄関庭。

エクシブ鳥羽別邸は、図面通りには完成しなかった。現場入りした、工事の初日。職人たちは図面を片手に、表情を曇らせていた。「思ったより庭園両脇の森が茂っているな」「鳥羽湾から吹き込む潮風も強い」想定外の状況に、すぐさま、設計士に相談を持ちかけた。「森の景観との調和を図るために植栽の数を減らしてはどうか。」「海に面する樹木は潮風に耐えられるよう、背が低い樹種に変えたほうがいいのではないか。」現場で培った経験と直感からくる判断だった。はじめは納得していない様子の設計士とも、議論を重ねるごとに信頼を築いていった。工事終盤には、池の景観の「要」とも言える置石の選定を任せたい、と設計士自ら職人にオーダーを飛ばした。「現場の判断で優先してほしい」そんな意図だった。職人が和歌山や能登まで自ら足を運び、鳥羽湾のスケールに見劣りしないよう、30t、24t、11t級の石材を選定。周囲の景色に溶け込むよう石の向きや傾きを細部までこだわった。完成したのは、空間全体で一つの作品を成す、まさにここでしか味わえない唯一の絶景。現場のなかで、自然と向き合い続けたからこそ導き出せた答えだと言える。

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